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みなさん、水やりって何のためにやるか知っていますか?
何のためって、「水やりをしなければ枯れちゃうから」でしょ?
確かにその通りです。
しかし、なぜ枯れちゃうんでしょう?
その理由は学校でも深く教わっていないと思います。
というわけで今回は、
- なぜ水やりをしなければいけないのか?
- 水やりの意味
をお話しします。
植物は水を介して養分を取り込む
なぜ植物に水を与えるのかというと、目的は大きく2つあります。
それは、
- 植物体内の水分のうち、蒸散によって失われた分を補給してあげるため
- 植物に養分を吸収させるため
の2つ。
特に大切なのは、2つ目の植物に養分を吸収させるためです。
植物は、根を使って水を吸収しますよね?
実はそのときに、水に溶け込んだ養分も吸収しているのです。
しかし、ここで「水に溶け込んだ養分はどこから来たのか?」という疑問が浮かんできます。
その答えは「土壌粒子から」。
植物は土壌に含まれている水を吸収しているんです。
そして、この土壌に含まれている水は、土壌粒子と土壌粒子の間に吸着される形で存在していて、その際に土壌粒子にくっついていた養分が溶け込みます。
ちなみにこの養分は、土壌由来のものと肥料由来のものがありますが、その多くは肥料由来のものです。
土壌粒子に養分がくっつく仕組みは「土壌には養分を保持する力がある!養分が土壌粒子に保持される仕組みを解説」を見てみてください。
このように、土壌粒子にくっついていた養分が溶け込んだ水のことを土壌溶液といい、植物はこの土壌溶液を吸収しているのです。
このようにして、植物は生育に必要な養分を得ているわけですね。
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植物に水をあげる=土壌の水分量を適正に保つ
先ほど、植物は土壌溶液を吸収することで生育するとお話ししました。
しかし、植物がこの土壌溶液を吸収し続けていると、ある時点で土壌溶液を吸収できなくなってしまうのです。
これは、土壌溶液が表面張力で土壌粒子とくっついているために、植物が土壌溶液を吸収した分だけ土壌溶液と土壌粒子を引き付ける表面張力が強くなることで起こります。
※この表面張力を数値で表したものをpF値といい、植物が土壌溶液を吸収できているかどうかの目安になります。これについては別の記事で詳しくお話しします。
この状態が続くと、植物は土壌溶液を吸えなくなってしまい、挙句の果てには枯れてしまいます…
では、これを防ぐためにはどうすればいいのか?
そう、水をあげればいいのです。
水をあげることで、土壌粒子に吸着される水が増えます。
そうすると、土壌溶液と土壌粒子に働いていた表面張力が弱まり、植物は再び土壌溶液を吸収することができるようになります。
つまり、植物に水をあげるという行為は、土壌の水分を適正に保つことと同じだといえるわけですね。
まとめ
今回のお話しの要点は3つ!
- 水やりには大きく2つの目的があり、植物に養分を吸収させることが特に重要である。
- 植物は土壌溶液を根で吸収することで水分と養分を得ている。
- 植物が土壌溶液を吸収し続けると、ある時点で吸収できなくなる。この状態が続くと植物は枯れてしまうため、水やりをして土壌の水分量を適正に保つことで解消する。
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農学部に通う大学生。農学の知識を発信していきたいという思いと、自分の力で稼いでみたいという思いをもってブログを書いてます。趣味は音楽鑑賞、一人旅。日本各地の温泉を巡るのが夢。