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みなさん、田んぼの形が長方形になっているのをご存知ですか?
おそらく、そんなに注意深く田んぼの形がどうなっているかなんて見たことがないっていう方がほとんどだと思います(笑)
そうなんです。実は田んぼって長方形に作られています。
しかも、それにはちゃんと理にかなった理由があるんです。
それは、労働時間を短縮するため。
というわけで、今回は田んぼの形が長方形になっている理由をお話ししていきます。
なぜ正方形ではいけないのか?
なぜ、田んぼの形は正方形ではないのでしょうか?
正方形ならば、農地も整理しやすそうでなにかと都合がよさそうですよね。
しかし、田んぼは一様に長方形なのです。
その理由は、農業機械にあります。
今日の農業では、ほとんどの作業において農業機械が導入されています。
農業機械の導入は、全体的な作業の効率化に大きく貢献しました。
ところが、農業機械にはどうしても作業効率が落ちてしまう部分があります。
それは農業機械が旋回するときです。
現在使用されている農業機械は、旋回させるのにかなりの時間がかかります。
つまり、農業機械の作業効率が落ちてしまう旋回の回数を少なくして、作業効率を上げるために田んぼは長方形になっているのです。
「農業における生産力 作業処理能力と単収発揮能力との関係とは?」においてもお話ししたように、作業効率を上げることは生産力の向上に直結しています。
長方形にすることの利点
言葉で説明してもわかりにくいので、図を使って説明しましょう。
例として、トラクターをつかって水田にする前の農地を耕す場合を挙げます。
このように、農地が正方形だとトラクターを何度も旋回させなければならず、農地を耕すのにかなりの時間がかかってしまいます。
一方、農地を長方形にすることでトラクターを旋回させる回数が減り、その分だけ作業効率を上げることができるのです!
つまり、同じ面積の農地であっても、形を正方形にするか長方形にするかで作業効率がガラッと変わるということですね。
田んぼは細長ければ長いほどいいのか?
一般的にみられる田んぼは、短辺の長さが機械の旋回に必要な分のみ確保され、あとは長辺を長くした長方形になっています。
では、先ほどを説明したことを踏まえればこのように考えられます。
田んぼの短辺長が機械の旋回に必要な分だけ確保されていればいいのなら、長辺の長さを長ーーくしてやればめちゃくちゃ作業効率が上がるんじゃね?っと。
しかし、答えはノー。
というより、そうしたくてもできないというのが正しいかもしれません。
確かに理屈では田んぼが細長ければ長いほど、作業の効率は上がります。
しかし、田んぼを細長くしすぎるとお米を作る過程で一つ問題が出てきます。
それは、田植えをするときです。
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田んぼの長辺の長さには上限がある
田んぼの長辺が長ければ長いほど機械を旋回させる回数は減るわけですが、あまりにも長いと植え付けるための苗が途中でなくなってしまうという事態が発生します。
植え付けるための苗は田んぼの端に置いていることが多いので、途中で苗が無くなってしまうとわざわざ取りに行かなければなりません。
また、農業機械は速度が遅いので、田んぼの端まで行くのにも当然時間がかかります。
そのため、苗を補充してからもう一度作業を再開するのまでにかなり時間がかかってしまうわけです。
田んぼの真ん中で苗が無くなってしまえばもう最悪ですね。
農業においては農業機械の稼働時間をなるべく少なくした方がコストを抑えられるので、このような事態は避けなければなりません。
短辺の長さが機械の旋回に必要な分だけ確保されていれば、田んぼの長辺を長くすれば長くするほど作業効率が上がります。
しかし、それにはやはり限界があって田植えの際に苗が途中で切れないくらいの長辺の長さが最長になります。
だから、あまりにも細長すぎる田んぼはみられないわけなんです。
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農学部に通う大学生。農学の知識を発信していきたいという思いと、自分の力で稼いでみたいという思いをもってブログを書いてます。趣味は音楽鑑賞、一人旅。日本各地の温泉を巡るのが夢。